DMMの3Dプリントサービスってなんやねん!!!

本文の要約
DMM.comが3Dプリントサービスを開始。出力可能な素材は石膏フルカラー、ナイロン、アクリル樹脂、シルバー、チタンの5種類。カラー出力が可能なのは石膏フルカラーのみ。対応する出力形式はSTL、PLY、VRMLの3種類で、カラー出力はPLY、VRML形式のみ。PLY形式に変換するにはMeshLabを使用。入力する際に左右反転のチェックを入れること。出力方法は、mqo形式をobj形式に出力し、MeshLabでply形式に変換する。

ロ「お兄ちゃん、私DMMのCMにでたんだよー☆」
清「DMMって、あのエロDV……、DMMってなんの会社やねん!!!」
ロ「7月から3Dプリントサービスを開始した会社だよー☆」
清「3Dプリントってなんやねん!!!」

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個人用3Dプリンターも登場し、じわじわと知名度が上がってきた昨今、大手DMM.comが2013年7月2日に3Dプリントサービスを開始しました。
「つくりたいもの、ほしいものをネットから3Dプリント」はどんなものか、3Dモデラーのメタセコイアで作成したモデルデータを出力するまでの過程に、実際に利用してみて感じた点を踏まえながら解説していきたいと思います。

1.出力出来る素材だよー☆

出力出来る素材は、「石膏フルカラー」「ナイロン」「アクリル樹脂」「シルバー」「チタン」の5種類です。
フルカラー出力が可能なのは「石膏フルカラー」のみですが、ナイロン、アクリル樹脂は、ブルーやイエローなどの単色カラーが選べます。

また、後述の出力形式により、石膏フルカラーで出力する場合には、「ply」「VRML」形式での入稿が必須となります。

2.対応してる出力形式ってなんやねん!!!

DMMのFAQを見ると、STL、PLY、VRMLの3種類になります。
この中で、カラーで出力可能なのは「ply」「VRML」のみになり、「STL」形式で入稿した場合はカラー石膏での出力が出来ません。

尚、メタセコでは「stl」しか出力可能な形式がサポートされておりませんので、コンバーターなりを使用して「ply」「VRML」に変更しなければなりません。
今回は、「MeshLab」というコンバーターを使用して「ply」形式にコンバートしたファイルで作成しました。

3.コンバーターの使い方だよー☆

output

メタセコ形式(mqo)はMeshLabでは対応していないので、一度「obj」形式で出力します。
出力する際に、「左右を反転する」にチェックを入れないと、モデルが出力されたときに左右が逆で悲しい思いをすることになるので、必ずチェックしましょう。

モデルが読み込まれたら、「File」→「Export Mesh As」を選択し、「Files of type」から「Stanford Polygon File Format (*.ply)」を選択します。
次にオプション画面が表示されますので、そのまま「OK」を選択すれば、「ply」形式にコンバート完了です。
(今回はテクスチャを使用していないので、上記手順でテクスチャがそのままコンバート出来るかは不明です。スミマセン……)

4.3Dファイル調べられるんか!!

素材の準備は整いましたので、早速DMMの3Dプリントのページから、plyファイルを入稿します。
と、その前に、DMMのアカウントが必要なので、持っていない方はこの時点で作成しておきましょう。これでDVDも買えるヨ。

アカウントでログインすると、ページ左上の「3Dデータをアップロード!」からファイルがアップロードできるので、先ほど出力したplyファイルをアップロードします。
アップロードが完了し、DMM側で受け付けれれると、受付完了メールが飛んできます。
受付完了メールが飛んでくると、次にアップロードした3Dファイルのチェックが始まります。

チェックの観点としては、以下のような内容がありました。

モデルが規定サイズ外

DMMの3Dプリントサービスでは、素材により異なりますが、石膏フルカラーでは「縦200mm×横380mm×奥行250mm」が最大サイズになります。
モデルデータがこれよりも大きい場合には受け付けてくれませんので、メタセコの段階で小さくしておく必要があります。
尚、メタセコにはサイズの概念がありませんが、メタセコ上の「1」が現物の「1mm」に相当するので、リサイズの際はご注意ください(メタセコにはサイズを測る機能がありませんが……)。

面が重なっている、欠けている

当たり前の話ですが、ポリゴンが欠けていたり、クロスしたり重なっている場合もチェックで弾かれます。
サービスリリース当初は、すべて「モデルデータが不正です」という、投げっぱなしなエラーメッセージでどこが悪いかわからない状態でしたが、現在は、それなりに詳しく悪い点を指摘してくれますので、重なる面の削除などで修正しましょう。

肉厚が1mm以下

3Dプリントサービス

これがかなりの盲点で、リサイズした際に、一番薄い部分の厚さが1mm以下だと弾かれ、2mm以下だと石膏フルカラーでの出力が出来ません。
今回出力したモデルで一番薄いパーツが2.05mmくらいだったので、かなり限界でした(写真の茶色のパーツのところ)。

尚、モデルがアップロードされて、受付完了からモデルデータのチェック完了までは、大体1時間程度かかります。

5.結構たっかーい☆

晴れてモデルのチェックが完了すると、注文出来るようになります。
その時点で、はじめて出力するのにいくら掛かるのかが判明します。
今回出力したモデルのサイズは、「縦:110.171mm×横:84mm×奥行;84mm」なのですが、価格は「14,051円」でした。たけぇ。

サイズがそれなりにでかいので、ある程度の金額は覚悟していたのですが、それでも高すぎる……。
結局、提示の金額で購入したのですが、価格が高くなってしまった要因はおそらく作成した台座なんじゃないかと思ってます。

石膏フルカラーは、石膏の粉を積み上げて作るので、粉を使えば使った分だけお金がかかるのは当然です。
今回作成した台座は、モデルの段階では単なる閉じた円形のモデルだったので、出力されたら中身もギッシリつまっており、結構重たい状態でした。

DMMのトップにも載っている、トラのモデル「トラ太郎」は、最近になって購入出来るようになったのですが、お腹の部分を見ると穴が開いています(トラ太郎の購入画面で、下からの角度が見れます)。
最初は、棒でも突っ込んで飾っておく用の穴かとも思ったのですが、おそらく体積を減らすための策なのでは?と思ってきました。
私のモデルでも、台座の裏側を蓋のようにくり抜いておけば、もう少し価格が抑えられたかもしれません。

6.ぶっ壊れとるやないか!!!

そんなわけで、晴れて発注したところ、翌日には発送してくれるという迅速対応!
あまり利用されていないのでは?とかいう邪推があったりなかったりですが、商品が届いてみたら……、ぶっ壊れとるやないか!!!

これは私のモデルのせいもあるのですが、細いパーツが多かったせいか、搬送中に折れてしまっていました。
1万5千円も出して、ぶっ壊れた商品が届くなんて……、と思い、DMMにお願いしたところ、その日に再出力して送ってくれる神対応ぶり。

DMMの3Dプリントサービス

そんなこんなで、やっとこさ手元に届いたモデルがこんな感じです。

7.まとめだよー☆

初めて3Dプリントサービスを利用してみましたが、3Dプリントするために考えてモデリングしないといけないということを痛感しました。
でも、自分で作った3DCGが現物のものになるのはやっぱり感激です。
いつぞやの初音ミクのモデルが出力された時は現物を触れなかったのですが、石膏は結構ザラザラしてます。

ちなみに、DMMではモデル作成に「123D Design」というフリーソフトをオススメしていますが、このソフトは3DCADソフトなので、箱などの直線が多いものは非常に簡単に出来ます。
ちょっと弄ってみる分には十分なソフトかと思いますが、メタセコから「123D Design」には、どう頑張ってもファイルをもっていけないので注意が必要です。

8.サービス詳細

【サービス名】つくりたいもの、ほしいものをネットから3Dプリント
【提供元】DMM.com
【ホームページ】http://make.dmm.com/

【ソフト名】MeshLab
【作者名】cignoni, granzuglia 他
【ホームページ】http://meshlab.sourceforge.net/
【価格】フリーソフト
【インストーラ】有
【対応OS】windows,MAC,Linux

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